何かに特化したものの姿は美しいと思う。
例え他に使いどころが無くても、それだけに関しては負けないという
意気込みみたいなものが感じられて、実にイイ。
今日仕事でちょっと失敗をして
資料を大量に刷りなおして差し替えするという作業をした。
そのときに、大量にホチキスの針を外すためにリムーバーを使ったんだけど
それがとても便利だったのだ。
リムーバーとはちなみに
こんなもの。リムーバーなんて、ホチキスの針を外す以外には役に立たない。
むしろそのために生まれた品なのに、それが実に誇らしく見えた。
ホチキスの後ろの出っ張ったところで外すより、早くてきれいにできた。
「針外しなら俺に任せとけ!」そんな気がした。
そして何より、後ろの収納に溜まった、大量の針を捨てる瞬間が、
実に気持ちいい。がしゃがしゃと雑多に集まった針金が楽しい。
普段の生活で、仕事以外の場でホチキスを使う機会なんてほぼないから
リムーバーを個人で買うことは多分ないのだけれど
ちょっとリムーバーを見直した。
カニ食べるときのはさみとか、餃子包むためだけのグッズとか
豆腐さいの目カッターにも同じにおいを感じる。
似たようなものとしてコーヒーメーカーもあるけれど
あれは出汁をとるのに使うのも便利だと聞いた。
炊飯器だって、魚の煮物とかケーキ作りに使えるって言うし
それを考えると、やっぱりリムーバーの不器用なまでの尖り方はイイ。
何かひとつだけでも、人に誇れるものがあれば。
そうすればもう少し自信を持って生きていられるだろうか。
リムーバーを見てそんなことを考える私は
多分ちょっと疲れているんだと思う。
しそ好きー。