↓ここから下ネタバレを含みます私の感想部分は
この色で書きます。
・体の中の缶かおりさんは独身時代に
大手食品会社の研究員をしていたそうです。
そこで、食品添加物や保存料などを使い
いろいろな食品の開発をしていました。
それらを試食するのも仕事だったため
かおりさんの体の中には色んなものが溜まっている、と
かおりさんは考えています。
私 時々想像するの…
お腹の中に 色んな物質を入れる 缶があってね…
そこに 体内に取り込んだ 有害な物質が 溜まっていくの…
かびんのつま(1) P16
体の中の缶という考えは私にもしっくり来ました。
私の中の缶はどうなっているんだろう。
アレルギーにも通じる考え方のような気がします。・かおりさんの幼少時代かおりさんは、幼少時代より、実のお母さんから
虐待を受けてきました。
お父さんと弟さんはそれを見ても無関心。
家族でサンドイッチを食べるときにかおりさんだけパンの耳だったり
家族の味噌汁を作るときにかおりさんのお椀で味噌を溶いたり
お母さんの機嫌が悪い時には布団たたきで殴られたりしたそうです。
私も親とはあまり折り合いが良くないけど
さすがに暴力は振るわれたりしなかったので
かおりさんの話を読んでいると、かわいそうで切なくなりました。・光過敏症の発症あきやまさんとかおりさんはスイスの明るい日差しのもとで
結婚式を挙げました。
その後帰国してから、かおりさんの体に
【光過敏症】の症状が出始めたのです。
日光に当たると顔や目が痛くなったそうです。
紫外線への過剰反応を起こす疾患である、とあきやまさんは調べます。
家の中にいても日光が入ってくるため、遮光カーテンを設置しました。
そんな折、かおりさんのお母さんが肝臓がんにかかり
ほどなく亡くなります。
光過敏症のかおりさんは、日光が出ている間は出かけることができないので
日が暮れてからお母さんの通夜に出かけました。
・熱過敏症?その通夜の席で、かおりさんに新たな過敏症の症状が出ます。
ろうそくの炎で顔が痛くなり、祭壇に行けなくなったのです。
しかし、お父さんと弟さんは、
目に見える症状が出ていないかおりさんに理解を示すことなく「もう帰れ!」と怒る有様。
結局、外で行われる火葬には出席できず、かおりさんは東京に帰ってきました。
家に帰ってから、ホットプレートやガスコンロの熱にも反応することが判明し
火がついているとキッチンにいられないようになりました。
しかし、あきやまさんが調べても
【熱過敏症】という疾患は見つからず。
症状は出ていても、熱で皮膚が痛むという病気はなかったのです。
謎の病気 熱過敏症?
世界中で「熱過敏症」という病気を持っているのは
かおぴゃんだけなのかもしれない…
かびんのつま(1) P71
※あきやまさん夫妻は「ひでぴゃん」「かおぴゃん」と呼び合っています
あきやまさんは、この病気を患っているのはかおりさんだけかもしれないと思っていますが
病名がついていなくても
こういう症状に悩む人はいるのだと思います。・そして電磁波過敏症の発症火を使った調理ができないため、電子レンジを使うようになりました。
最初は平気だったのですが、今度は
電子レンジからの電磁波で
顔が痛くなるようになったのです。
それに伴い、電子レンジ以外の機器からの電磁波にも反応するようになり
テレビやパソコンからも刺激を受けるようになりました。
電話を使うと頬が腫れるため、スピーカーホンを使うことにしました。
電磁波の影響については、メディアでも触れているのを見たことがあります。
ただ、空気と同じく、電磁波は目に見えないので
過敏症を患っていない人にとっては他人ごとと思われる部分もあるかもしれません。
私もこのマンガを読むまで、フードプロセッサーから電磁波が出ているなんて想像もしませんでした。・毒ガスのようなシャンプーのニオイ、そして化学物質過敏症の発症連続する過敏症の発症の他にもかおりさんはトラブルを抱えます。
お母さんの遺産相続に関して、お父さんと弟さんが
かおりさんの分を渡そうとしなかったのです。
さらに、かおりさんが生前お母さんに渡していたお金(数百万円にのぼったそうです)も
返してほしいと何度言っても返してもらえなかったそうです。
お母さんは生前「持っているお金は全部渡しなさい」とかおりさんに言い
かおりさんは言われるとおりにお金を渡していたのです。
そんな中で、突如、シャンプーのニオイに毒ガスのような苦しさを感じるかおりさん。
やがて洗剤のニオイにも吐き気を感じるようになり、倒れてしまいます。
【化学物質過敏症】の発症です。
私は多分化学物質過敏症ではないですが(診察を受けていないため不明)
煙草のニオイ、洗剤や化粧品のニオイで咳や吐き気、頭痛が起こります。
スーパーの洗剤や芳香剤のコーナーはできるだけ通らないようにしているし
通らなければならない時には息を止めています。
しかし、不意に嗅いでしまうと、やはりしんどいです。
かおりさんは、これよりもずっとずっと辛いのだろうなと思うと切なくなりました。・美味しいけど高価な有機野菜これ以上体に毒素を溜め込まないように、と、
あきやま家では有機野菜を食べることにしました。
野菜以外にも有機食品を通販で購入し、あきやま家の食事は
ほぼ有機100%になりました。
健康には良いけれど高価な有機食品を食べるようになり
あきやま家の食費はだんだんかさむようになりました。
・引っ越し、そして重症化そんな折、大家さんがあきやまさんたちの住んでいる家に住みたいとのことで
大家さんの費用負担で立ち退きをすることになりました。
新しく越す物件を夜に下見したら良さそうな所だったため、入居を決める夫妻。
しかし、入居してから、朝夕にマンションの向かいで通勤ラッシュが発生することを知ります。
この車の排気により、かおりさんの化学物質過敏症がさらに悪化、というところで
1巻【前兆編】が終わります。
2巻は【重症化編】だそうです。
現在のかおりさんはどう過ごしておられるのか心配です。
スペリオールで現在連載中のエピソードでは本当に本当に重症化していて
読んでいて胸が痛みます。
どうか、過ごしやすい環境に移って
少しでも楽になっていますようにと願わずにはいられません。
周囲の偏見や無理解については、わたしたちの病気では、ごく当たり前で、だれもが経験するものなので、ついわたしのブログでは簡単に書いてしまいました。
慢性疲労症候群:CFS、線維筋痛症:FM、化学物質過敏症:CSは同じ病気の別の面ではないかと言われることがあります。どの病気も当事者はものすごく辛いのですが、検査に出ず、見た目にはとても元気に見えます。だから、理解されることがあまりありません…。それ以前に病気の存在がほとんど知られていません…。
そのほかのあらすじやポイントもとてもわかりやすくまとめておられて、実際にマンガを読んだわたしにとっても参考になりました。とてもよい感想とまとめをありがとうございます。また2巻のときもぜひおねがいしますね!
あきやまさんの奥様にとっても、他のCSの方にとっても住み良い世の中になるといいですね!